スリーピングドール(ジェフリー・ディーヴァー)
最後のたたみかけるように二転三転する展開がすごい。
エンタメ作品はこうでないと、というサービスの行き届いた作品。
動作や表情などに出てくるストレスを嗅ぎ取って、相手の心理を読み取るキネシクス(千里眼シリーズとちょっと似ている)の天才である捜査官キャサリン・ダンス。
人の心理を操るカルト指導者ダニエル・ペルの脱獄事件に関わってしまった彼女は、ペル捜索の指揮を執ることになった。
次々と通りすがりの一般市民の弱みを握って、見事に逃げ続けるペルと、ペルが驚くほどに彼の行動を読んで、引き離されないダンスの心理戦。
さらに、ダンスと彼女の思春期の息子との関わりや、同僚のTJやオニールとの友情、FBIから派遣されてきたカルトのエキスパート・ケロッグと微妙な関係など、周囲の人間とも心理のせめぎ合いが描かれる。
過去にダニエルのカルトに属し、今は人生をやり直そうとしている女性三人の会話も面白い。
友情、思い出、嫉妬とぐちゃぐちゃの思いが入り乱れて、緊張感がある。
ストーリー展開も文章(翻訳も素晴らしいと思う)も会話も登場人物のキャラクターも、魅力的で、読みだしたら止まらなかった。
映画化されたボーン・コレクターの姉妹シリーズ。ボーンコレクターの主役も電話で登場する。
私でも成分を見れば予測可能な物質名を答えるだけのサービスカットだが。