4TEEN
私が読んだ石田作品の2作目。
アキハバラ@DEEPの次ですが。
こう、読んでて思ったのが、「この人、うまいわぁ」ということ。
直木賞作家に失礼な話ですが、本当に思った。
文章もさることながら、映画のプロデュースに当たる部分、キャストや構成、舞台設定というあたりが、本当にうまいなぁ。
東京月島の中学2年生の少年4人、テツロー、ジュン、ナオト、ダイが主役。
最も普通と自覚しているテツローが一人称を担当する。
普通とかいってるけど、何でもありのまますんなり受け止める素直さは、只者ではないと思うんだけど。
ジュンはクールに徹する秀才。本当は熱いというところが、かわいいです。
ナオトは、早老症という難病をかかえ、常に少し先の死の恐怖と、老いからくる病気と少年の心との矛盾がある。育ちの良さもそこかしこに漂い、恐怖というより、哀しさがじわーーーっと漂ってくる。
ダイは明るく(名探偵コナンのゲンタくんそのまま)、実は家庭は荒れており、作中で悲惨な事件と関わることになる。
感動巨編というのではなく、きれいに輝く短編が収められた短編集という趣。
でも、14歳の少年だった記憶のある男性なら、もっと楽しめるのかもしれない。
私が14歳だったころ・・・(うわぁっ)
でも、中1や中3で一緒に連れ立っていたクラスメートとはとっくに音信普通なのに、中2の頃のクラスメートとは、ちょくちょく会うし、最近も、結婚式に出てきたばかり。
やっぱり、14歳というのは特別なのかも。
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
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