ゆきの山荘の惨劇

電車に乗る時間のお供として購入した本。
読み終えて、あとがきを見ると、この本を読むべき人の1種として「外出先で読む本を探している人」と書いてあった。
確かに、私の目的に合致した本だった。
ライトでユーモアがあるミステリとして選んだのだから、最高の本だった。

探偵が猫、という時点で、重いわけがない。
猫の飼い主が女性ミステリ作家(著者は猫を飼っている女性ミステリ作家だ)、ということは、猫バカの作家が、いい意味でふざけて書いた可能性が高い。
著者の代表作であるRIKOは、立ち読みで、ちょっと重いしマニアックな感じがしたので未読。
でも、最近読んだばかりの、ワーキングガール・ウォーズは、そんな感じでもなかった。
柴田よしきも、乃南アサ篠田節子のように作品のジャンルが広い作家なのかと思ってたところだったので、とりあえず買ってみた。
 
正太郎というオス猫が語り手、彼の飼い主は桜川ひとみという女性ミステリ作家、彼女と同行しているのは気弱な編集者の糸川。
彼らはひとみの友人である女性ミステリ作家の結婚式への、田舎の山荘「ゆきの山荘」へと向かうところである。
ゆきの山荘、という名前から判るとおり、当然、山荘は携帯電話も繋がらず、さらに、予想外の事故に拠って孤立するのである。
 
猫の行動や、猫と犬による自発的行動など、オイオイ(あんた、動物が好きねぇ?という)突っ込みを入れたくなるが、ライトミステリなので、仕方ない。
いくつか先も見えてくるし、動機なんかもあやしいけど、語り手は猫。
人間の気持ちなんか、理解しがたいんだよね?
 

ゆきの山荘の惨劇  -猫探偵正太郎登場- (角川文庫)

ゆきの山荘の惨劇 -猫探偵正太郎登場- (角川文庫)